金（ゴールド）は、宇宙の極めて劇的な現象によって生まれます。地球上の金の多くは、超新星爆発や中性子星同士の衝突といった天体現象の中で生成されたと考えられています。これらの現象では、非常に高温・高圧の環境が生まれ、原子核同士が融合して重い元素が作られます。金はそのような過程で形成される重元素の一つです。

こうして宇宙空間にばらまかれた金は、やがて塵やガスとともに集まり、太陽系を構成する星雲の一部になります。その中から地球が誕生し、金も地球内部に取り込まれました。地球が形成された初期には金の多くがマグマの対流や地殻変動などを経て地表近くに移動し、鉱脈として蓄積されました。

現在、私たちが採掘している金は、何十億年も前に宇宙で誕生し、地球に取り込まれたものなのです。このように、金は宇宙規模の壮大なプロセスを経て生まれ、今も私たちの文明や経済の中で重要な役割を果たしています。