真珠は貝の体内で生成される宝石です。（バイオミネラル）と呼ばれています。貝殻成分を分泌する外套膜が、貝の体内に偶然に入りこむことで、（例えば、小石や寄生虫などの異物が貝の体内に侵入した時に外套膜が一緒に入り込み）天然真珠が生成されます。つまり成分は貝殻と等しいです。貝殻を作る軟体動物であれば、真珠を生成できます。

外套膜は細胞分裂して袋状になり、真珠を生成する真珠袋をつくります。その中でカルシュウムの結晶（あられいし）と有機質（主にたんぱく質コンキオリン）が交互に積層した真珠層が形成されて、真珠ができます。この有機質とアラレ石の薄層構造が干渉色を生み出し、真珠特有の虹色（オリエント効果）が生じます。真珠層の構造や色素の含有量などの複雑な条件によって真珠の色・照りの程度そして宝石としての価値が決まります。したがって、宝石としての価値を持つ真珠は原則的に真珠層を形成する種からしか得られなのです。

日本の養殖真珠の発明とは「球体に削った核を、あこやがいの体内に外套膜と一緒に挿入し、真珠層を形成させる」というものであります。

巻き貝から生成されるコンク真珠やメロ真珠は真珠層が形成されません。こういった真珠層を持たない種が形成した真珠の事を、上記のアコヤガイなどから得られる宝石としての真珠と区別するために真珠様物質と呼び分ける場合もあります。真珠様物質に分類される物でも老子の真珠のように大きさや希少性によっては宝石としての真珠を上回る価値がつく場合もあります。

冠婚葬祭のいずれの場面でも使える便利な装飾品で日本人が最も多く持つジュエリーとの推測もあります。

炭酸カルシウムが主成分であるため、汗が付いたまま放置もしくは保管すると塩分との化学反応が緩やかに発生し、真珠特有の光沢が失われます。このため、着用もしくは使用後早めに柔らかい布で拭くなどの手入れが大切です。

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