イタリアの高級腕時計ブランドとして、世界中に高級スポーツウォッチのデカ厚ウォッチブームを巻き起こした新参者、オフィチーネ・パネライ。

創業は1860年、レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイなどの歴史的偉人を輩出したとしても知られる世界遺産の街イタリアのフィレンツェに、創業者のジョバンニ・パネライ氏は時計販売店、修理工房、そしてイタリア初の時計製造学校を設立。

創業約200年以上の歴史的深みで言えば、パテック・フィリップやブレゲ等の世界5大高級腕時計ブランドの老舗並みに立派な同社ですが、高級腕時計市場に参入したのは1992年と最近の話。

それもそのはず、同社はイタリア海軍の秘蔵っ子敏腕メーカーとして、高性能な手首装着型の水深計やコンパス、耐水圧性を保持する水中信号灯などを含めた軍事用精密機器や軍事用具を海軍に納品していた、生粋のミリタリー専門業者の側面を備えていました。

1972年には、これまでパネライ一族が経営主体であった経営体制をイタリア海軍のエンジニアであり、イタリア海軍士官でもあったディノ・ゼイ氏に託し、オフィチーネ・パネライは新しい時代を迎えるのです。パネライの開発した製品は、イタリア海軍の機密事項として、1992年の軍事機密指定解除となるまで、軍に関わる製品の一切は非公表とされていました。

世界大戦終結による軍用需要の減少から、一般腕時計市場の参入に大きく舵を切る決断をした同社は、1993年にイタリア海軍のミサイル駆逐艦デ・ラ・ペンネ級駆逐艦の船上で、実戦に使用された主力ダイバーズウォッチ「ルミノール」「ルミノールマリーナ」「マーレノストゥルム」の一般販売に向けた記念すべき式典を開催！式典にはイタリア旧王族のイタリア海軍潜水部最高責任者アオスタ公アメデーオ氏などの権威も参列し、同社は大きな門出を迎えます。